未来への地図 星野道夫
今年は星野道夫さんが亡くなってから、20年だそうです。
BRUTUSで特集が組まれたり、写真展が開催されたり、これは、それでいただいた本!ありがとうございます。
星野道夫さんの魅力は、写真はもちろん圧倒的ですが、わたしはむしろエッセイにあると、すごく思います。
「撮影のためにアラスカの大自然で、ポツンとたった一人で、一ヶ月、二ヶ月暮らすのは普通だ。」
もしこう言われたら、これはちょっと普通じゃない、、と自分の想像力の範疇を超えますよね。でも、星野さんの文章を読むと、「寂しいですよね」「独り言が増えますよね」と普通にたんたんと、そのありのままを語っているんです。
「星野さんは天才だけど、でも全く知らない世界ではないかもしれない」という気持ちにさせてくれるのが、星野さんのエッセイだと思います。想像力を遮断することなく、マイナス50度で笑ったまま顔が凍る情況が浮かんできたりする。
星野さんが正直に、思ったままを書いているという安心感のようなものは、言葉自体をすっと身体のなかへ受け入れることができます。
“僕は来月アラスカに戻ります。来月はもう春めいてくる頃なのですが、毎年アラスカで最初にキャンプをしてテントを張るときというのは本当に興奮するんですね。これから半年間ほど雪や土の上に寝なくてはいけないんですけども、そういうことが全く苦にならない。嬉しくて嬉しくてしかたがない。
みなさんもそうだと思うのですが、自分が本当に好きなことをやっていれば、他人がそれを見て辛そうだと思っても、本人にとってはそれほどではないですよね。好きなことをやるというのは、そういうことなのだと思います。」(:31)
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